自殺者が増えている、という報道について

2020年10月30日

産業医をやっていますと自殺未遂をした従業員さんの相談(面談)も年間数人は毎年あります。

10月に入って、自殺者が増加しているというニュースをよく見る様になった気がします。

確かに統計データでは7月以降自殺者数の増加が続いております。ニュースなどでは’コロナの影響も・・・’と報道されている事が多い様です。

確かにコロナの影響はあるでしょうがそれではなぜ例年自殺者数のピークである3~5月の自殺者数は例年と比較して非常に少なかったのでしょうか?

なぜニュースなどでは自殺者が増えている事だけを報道して当社のHPでも取り上げています様に3~5月の自殺者数が例年と比較して非常に少なかったことを報じないのでしょうか?

新型コロナ患者数のグラフを見ますと4~6月、9~10月にかけて患者数の谷(減少)が見られます。自殺者数は谷の後に増加している傾向があります。これが何を示唆しているのかは諸説あるでしょうが、個人的見解としては『コロナが落ち着いてきた⇒社会活動再開』という流れで3~5月に自殺しなくて済んだ人々が8~10月の社会活動の再開に伴い社会(主に学校や会社)との軋轢で’死’を選択しているように見えてしまいます。

月別・年齢別の自殺者数などのデータが出そろわないと分かりませんが、期せずして新型コロナの影響で日本の自殺者の社会実験が出来てしまった様な状況になっており、そこから見えてくる事は学校や会社などの’社会’にまだまだ問題がある、という事ではないでしょうか。

微力ではありますが一産業医として、社会を変えるほどの力は無いので’死にたい’と思ってしまう人の心のありようを、少しだけでも良い方向に変えられるように頑張っていきたいものです。