本年の自殺者数について

2020年08月25日

少し前、ニュースでも取り上げられているのを見て考えさせられていましたが警視庁より令和2年7月までの自殺者数の速報が出ていますね。

これを見ますと前年同月比(%)で今年(2020年)の自殺者数は1月1,678人(100%)、2月1,451人(90%)、3月が1,738人(94%)、4月が1,487人(83%)、5月が1,556人(85%)、6月が1,519人(93%)、7月が1,786人(100%)と前年同月比より軒並み減少しております。

特に、4月と5月は前年と比較し-15~-17%と大きく自殺者数が減少しております。

性別や自殺理由など、細かい分析を見ないと分かりませんし様々な意見がある事は承知しています。

単純に新型コロナの影響で学校や会社が休みだったり在宅だった事で自殺者が減っているのであれば悲しい気持ちになります。

産業医として面談者の方のお話を聞いていると、嫌な事から逃げられずに苦しんでいる人が多くいる事が実感できます。

そういう方々が最終的に’死’という選択肢を選ばれているとしたらこれは社会構造の弊害であると感じます。

新しい環境に飛び込んでうまくいかない事は辛い事です。誰も話を聞いてくれる人や助けてくれる人、理解を示してくれる人がいない状態が続けば’消えたい’ ’死にたい’という気持ちになる事は理解できます。

本年の、特に4~5月にかけての自殺者数が大きく減少しているのは嫌な事、学校や会社といった新しい環境に飛び込まされる、といった事が無かったのが原因の一つなのではないでしょうか?

そうだとすれば、そこまでして無理に新しい環境に飛び込ませる、飛び込む事が必要なのか分からなくなってしまいます。

でも、もし新しい辛い環境でも ’話だけでも聞いて貰える’ ’少しは助けて貰える’ ’一人でも仲間がいる’ などの状況になれば’死’という選択肢が選ばれる確率はぐっと減るのではないでしょうか。

’働き方改革’が新型コロナの影響により一層クローズアップされています。

’働き方’の改革ももちろん大切なのですが、今もっとも考えなくてはならないのは’働き方’だけの改革では無く’生き方’の改革ではないのでしょうか。